清酒発酵の制御ルール
清酒もろみは原料の溶解に伴う基質の供給と発酵による物質生産が相互に影響し合う複雑な並行複発酵系である。
加えて天然原料であるため、基質のもろみへの供給速度が把握しにくい。
そのため、従来の小仕込み試験では温度や特定の成分の濃度のみを変更して発酵の状況や香味生成に及ぼす影響を直接的に観測することはほとんどできず、香味生成の因果関係は未解明の部分が多い。
我々はこれまでに、合成培地を用いて清酒もろみの成分を模倣し並行複発酵形式の基質供給をモデル化した流加培養法と組み合わせることにより香味生成を含む清酒もろみの発酵をほぼ忠実に再現する方法を開発した。
本システムは、6台のジャーファーメンター、オートサンプラー、グルコース・エタノールオンラインバイオセンサー、培地流加装置及びこれらを統合制御し培地流加速度の演算を自動的に行うコンピュータシステムで構成され、発酵槽ごとに独立した設定条件でモデル清酒もろみの発酵試験を行うことができる。
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着目した発酵条件以外を揃えて、品温、グルコース濃度及びアミノ酸濃度が発酵経過及び香味生成に及ぼす影響を検討し、制御ルールとしてまとめたページに移動します。
なお、本研究の詳細につきましては、第46回独立行政法人酒類総合研究所講演会における発表をご参照ください。