酒類総合研究所  清酒製造支援データベース

麹中のビタミン

[目的]

総破精麹と突破精麹の麹中のビタミンの含有量の違いを調べた。

[製麹条件]

米はいずれも山田錦を用いた。
吸水率はいずれも32%。
種麹はRIB128株を総破精麹は約1.3×10^5個/g、突破精麹は1.3×10^3個/gそれぞれ用いた。
製麹中の温度及び湿度はそれぞれ一般的な総破精麹、突破精麹となるように経時的に変化させた。
手入れはいずれも20時間(盛)、29時間(仲仕事)、38時間(仕舞仕事)でそれぞれ行った。

[実験方法]

前頁のとおり。

[結果・考察]

リボフラビン、パントテン酸の生成には大きな差が生じていない一方で、ピリドキシンの生成は総破精麹の方が突破精麹より2倍近く多かった。麹中のビタミンのもろみへの供給は麹の重要な役割であり、ピリドキシン量の差が、もろみ及び酒質の差に影響している可能性がある。