酒類総合研究所  清酒製造支援データベース

麹中のアミノ酸

[目的]

総破精麹と突破精麹の麹中のアミノ酸の含有量の違いを調べた。

[製麹条件]

米はいずれも山田錦を用いた。
吸水率はいずれも32%。
種麹はRIB128株を総破精麹は約1.3×105個/g、突破精麹は1.3×10^3個/gそれぞれ用いた。
製麹中の温度及び湿度はそれぞれ一般的な総破精麹、突破精麹となるように経時的に変化させた。
手入れはいずれも20時間(盛)、29時間(仲仕事)、38時間(仕舞仕事)でそれぞれ行った。

[実験方法]

前頁のとおり。

[結果・考察]

出麹時のアミノ酸量を比較すると、突破精麹のほうが多いアミノ酸(アラニン、グリシン、グルタミン、アスパラギン)と、総破精麹のほうが多いアミノ酸(チロシン、メチオニン、バリン、フェニルアラニン、イソロイシン、トリプトファン、アルギニン、ヒスチジン、リジン)が見出された。
特に、チロシン、イソロイシン、アルギニンは突破精麹より総破精麹のほうが2倍近く生成量が多かった。
突破精麹では仲仕事(30時間付近)において、一時的にロイシンの生成量が急増する特徴が見られた。類似した傾向はメチオニンとフェニルアラニンにも見られた。
突破精麹と総破精麹との間で生成量に大きな差がなかったアミノ酸として、グルタミン酸、アスパラギン酸、スレオニン、グリシン、アスパラギン、プロリン、フェニルアラニンが見出された。